現代を形作るトレンドが知りたいよ
松下幸之助さんが提唱した「水道哲学」を考えてみましょう
水道哲学とは
水道哲学とは、松下電器(現Panasonic)の創業者である松下幸之助さんが1930年代に掲げたビジョンです。
その趣旨は「誰もが蛇口を捻って水を飲めるのと同じように、安くいいものを全ての消費者の手に」というものです。
貧しかった時代に提唱されたものなんだね
それが、この哲学の功罪につながります
私が考えるに、この哲学の功罪は下記です。
- 功:消費者に「安くていいもの」が行き渡った
- 罪:再投資を見据えた「高くていいもの」を売りにくくなった
当ページでは、この功罪を理解した上で、水道哲学の本質とその系譜について考えていきます。
水道哲学の本質
前述した通り、水道哲学は1930年代という「ものが無い時代」に提唱されました。
一方で、現代は「ものが溢れる時代」です。「ものが無い時代」を前提とした水道哲学が、そのまま通用する時代ではありません。
もう時代遅れなんじゃないの?
「ものが無い時代」という前提を取り払った上で残る、水道哲学の本質に着目しましょう
その本質とはいかに?
溶け込ませることです
意味が分からない
これがどういった概念か、下図に整理しました。
当たり前のもの、違和感のないものとして、溶け込ませる。
ここに現代でも通用する「水道哲学の本質」があります
水道哲学の系譜
当たり前のもの、違和感のないものとして、溶け込ませる。この「水道哲学の本質」は、現代でも通用します。
様々な形式で、その時々における「水道哲学の復刻版」が台頭してきました
- 携帯音楽プレーヤー:音楽を生活に
- スマートフォン:コンピュータを生活に
- 製品デザイン:家電や電子機器を空間に
- IoT:インターネット通信を機器に
- IoF:AI機能を機器に
IoFは Internet of Function (機能のインターネット)の略で、私が作った造語です
携帯音楽プレーヤーを開拓したのは「SONYのウォークマン」です。移動中など「日常生活」の中に、音楽を溶け込ませました。
製品デザインで思い浮かぶのは「Apple」や「dyson」です。インテリアのような製品デザインを実現することで、家電や電子機器を「日常の空間」に溶け込ませました。特筆すべきポイントは「おしゃれなデザイン」「圧倒的な使いやすさ」の対価として、高価格帯を実現してきたことです。
デザインの重要性について提唱していた書籍があったね
こちらのページで紹介した『ハイコンセプト』ですね
IoTやIoFが実現された時には、下図のような世界観が台頭すると思われます。
全ての平面が「映像を映すスクリーン」になり、全ての空間が「センサーで感知される」世界になる。私たち自身も、機器やAIによって拡張される。
こちらのページで紹介した考え方だね
書籍では、こちらのページで紹介した『インターネットの次に来るもの』が分かりやすいです
水道哲学で生まれる仕事
水道哲学の概念からは、どんな仕事が生まれるの?
下図の3領域に整理してみました
具体的に、今後の台頭が見込まれるIoTやIoFについて整理すると、下図のようになります。
周囲の環境すべてが、溶け込まれる器になりうるんだね
次世代のビッグビジネスです
準備できること
IoTやIoFといった形で、再び台頭しつつある水道哲学。
この水道哲学について学んだ上で、準備できることは下記です。
- 何を、何に溶け込ませるトレンドなのかを理解すること
- 「溶け込ませるものの設計」「溶け込ませる過程の支援」「溶け込まれる器の設計」という仕事について理解すること
IoTやIoFの台頭から恩恵を受けられるポジションを取るべきだね
トレンドの理解は非常に重要です
最後に
あなたが働いている企業は、IoTやIoFの台頭から利益を享受できますか?
あなたの職務は「溶け込ませるものの設計」「溶込ませる過程の支援」「溶け込まれる器の設計」という3領域にありますか?
答えが「NO」の場合、転職を考えることも1つの選択肢かもしれません。
時代は大転職時代へ
現代は、多様かつ高速の変化が生じる世界です。「終身雇用」「右肩上がり」の概念は崩れ、自分の身を守ってくれる存在は自分自身しかいません。
転職にはリスクを伴いますが、転職活動にはリスクがありません。御自身の「転職市場での価値」を知っておくことは、今後の社会を生き抜く第1歩となります。
これを機に、ぜひ転職エージェントに登録してみてください。